ドローンの法律・条例10個|違法飛行・トラブル回避の備忘録

ドローン関連の法律・条例は数が多く、覚えるのが大変ではないでしょうか。

しかし、この記事で紹介する法律に違反した場合、損害賠償請求をされたり、罰金や懲役刑に処される恐れもあるため、ドローンを飛ばすのであれば法律についてはある程度知っておくべきでしょう。

主な法律に関しては次の3つをご紹介しています。

  1. 法律ごとの概要
  2. 押さえるべきポイント
  3. 違法になりうる行為の例

ドローンを取り巻く法律の全体像を把握する上でお役立てください。

 

ドローンの法律1|航空法

  • 航空法とは
  • 航空法で押さえるべきポイント
  • 航空法違反になる行為の例

航空法とは

航空法とは、民間の航空機の安全な飛行と、航行のトラブルを防止する目的の法律です。

重量200g以上のドローンは無人航空機として、次の2点に関して規定されています。

  1. 飛行禁止空域(航空法第132条)
  2. 飛行方法(航空法第132条の2)

 

上記の条文に抵触する飛行をする際は、国土交通大臣の承認を得なければなりません。違反した場合は、50万円以下の罰金に処される恐れがあります。

また、重量200g未満のドローンは模型航空機として、許可なく飛行してはいけない空域が定められています。

航空法で押さえるべきポイント

それでは、航空法のうちドローン操縦者が覚えておくべきポイントを確認していきましょう。

許諾なく3つの飛行禁止空域を飛ばない|重量200g以上

簡単にいうと、「飛行機や人、物件に害を与えるような場所で飛ばないでくださいね」という話です。

航空法132条では、無人航空機が飛行してはいけない空域を3つ定めています。

  1. 空港の周辺
  2. 150m以上の上空
  3. 人家の密集地域

 

引用:無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の安全な飛行に向けて!|国土交通省

 

上記の場所でドローンを飛ばすと、飛行機と追突したり、墜落したドローンが人や物の上に落ちて損害を与える恐れが出てくるため、空の安全を守るための航空法によって規制がされています。

お近くの空港周辺や人家の密集地域を知りたい方には、『地理院地図』が便利です。

飛行方法を守る|重量200g以上

ドローンを飛ばす際は、次の6つの飛行方法を守りましょう。

  • 日の出〜日の入の間に飛行する
  • 目視できる範囲内で飛行する
  • 人や建物などから30m以上離れて飛行する
  • 催し場所で飛行しない
  • 危険物を輸送しない
  • 物件を投下しない 

 

引用:無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の安全な飛行に向けて!|国土交通省

 

逆に、次の飛行方法をする方は、事前に国土交通省に申請をしておく必要があります。

  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
  • 30m以内での飛行
  • イベント上空での飛行
  • 危険物の輸送
  • 物件を投下する

参照:無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン

申請する人は『3.許可・承認手続きについて|国土交通省

飛行機が飛ぶような場所で飛行しない|重量200g未満

航空法第99条の2では、飛行機が飛ぶような場所や、頻繁に離着陸が行われる空港周辺で、事前の許可なくドローン等を飛ばすことを禁止しています。

  1. 航空交通管制圏
  2. 航空交通情報圏
  3. 高度変更禁止空域または航空交通管制区内の特別管制空域

 

航空交通管制圏・航空交通情報圏

名称 説明
①航空交通管制圏 地表または水面から200m以上の高さの空域
②航空交通情報圏 国土交通大臣指定の飛行場とその周辺空域

参照:日本の空の概要|国土交通省

 

<特別管制空域>

名称 説明
特別管制空域 飛行機が飛び交う空域

引用:進入管制区・特別管制区|国土交通省

 

航空法違反になる行為の例

国土交通省への申請なしにやってはいけない行為の例は…

  • ドローンを上空300mまで飛ばし、動画をyoutubeにUPした
  • ドローンからお菓子をばらまいた
  • 夜にドローンを飛ばした
  • 双眼鏡で見ながらドローンを飛ばした(目視外飛行)
  • お祭りの上空からドローンで撮影をした
  • 200g未満のドローンを200mまで飛ばした(航空交通管制圏)

【航空法詳細】ドローンの航空法とは|操縦者が守るべきルールをシンプルに解説

 

ドローンの法律2|小型無人機等飛行禁止法

  • 小型無人機等飛行禁止法とは
  • 小型無人機等飛行禁止法で押さえるべきポイント
  • 小型無人機等飛行禁止法違反になる行為の例

参照:小型無人機等飛行禁止法関係|警察庁

 

小型無人機等飛行禁止法とは

国会議事堂や内閣総理大臣官邸など、国の重要な施設の周辺で小型無人機などを飛ばすことを禁止する法律です。

対象となる機体

この法律における小型無人機等に該当する機体は、次の2つです。

  1. 小型無人機(ドローンなど)
  2. 特定航空用機器

 

第1に、小型無人機とは、次の2点を満たすもののことをいいます。

  1. 構造上人が乗れない航空機
  2. 遠隔操作または自動操縦可能

航空法と違い、重量200gに関しては触れられていないことにご注意ください。

 

第2に、特定航空用機器は、航空できる機器かつ人が乗れるもののことをいいますが、ドローンに関係ないのでここは覚えなくて大丈夫です。

 

<特定航空用機器の例>

  • 操縦装置がついた気球
  • ハンググライダー
  • パラグライダー

飛行が禁止されている範囲

本法で飛行を禁止されている地域(対象施設周辺地域)は…

  1. 対象の施設(後述)
  2. 施設の周囲300mの地域とその上空

罰則

上記の地域で無人航空機等を飛ばす場合は、事前に施設の管理者や公安委員会などの同意を得る必要があります。

違反した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される恐れがあります。

 

小型無人機等飛行禁止法で押さえるべきポイント

『許可なくドローンを飛ばしてはいけない施設を事前に確認しよう』というのが要点です。

 

対象施設とは…

  • 国会議事堂
  • 議員会館
  • 衆議院議長・参議院議長の公邸
  • 内閣総理大臣官邸
  • 内閣総理大臣・内閣官房長官の公邸
  • 対象危機管理行政機関の庁舎
  • 最高裁判所の庁舎
  • 皇居および御所
  • 対象政党事務所
  • 対象原子力事業所

対象施設周辺地域の地図は、『小型無人機等飛行禁止法関係|警察庁』から確認できます。

 

小型無人機等飛行禁止法違反になる行為の例

事前の許可なく…

  • 国会議事堂を空から撮影した。
  • 皇居を空から撮影した。
  • 総理大臣官邸を空から撮影した。

 

ドローンの法律3|電波法

  • 電波法とは
  • 電波法で押さえるべきポイント
  • 電波法侵害になる行為の例

 

電波法とは

電波法とは、電波を利用する際の決まりを定めている法律です。

ドローンを飛ばすには無線を利用しています。利用する周波数帯によっては、免許がひつようになります。

他の無線通信に支障を及ぼさないよう、次のポイントを押さえておきましょう。

 

電波法で押さえておくべきポイント

免許が必要な周波数帯を覚えておく

周波数帯と、必要な免許の対応関係は次の通りです。

周波数帯 必要免許
72MHz帯 不要
920MHz帯 技適マークがあれば不要
2.4GHz帯 技適マークがあれば不要
5.7GHz帯 第三級陸上特殊無線技士
5.8GHz帯 第四級アマチュア無線技士

 

技適マークの有無は必ず確認

引用: 技適マーク、無線機の購入・使用に関すること|総務省

920MHz帯と2.4GHz帯の電波を使っているドローンを飛ばす際は、技適マークが付いているかどうか確認しましょう。

免許を受けずに飛行した場合は電波法違反として1年以下の懲役または250万円以下の罰金に処されます。

 

電波法侵害になりうる行為の例

  • 海外から輸入したドローンに技適マークが付いていなかったが飛ばした
  • ドローンを改造し、技適マークの申請をしないまま飛ばした
  • 免許を取らずにレース用ドローンを飛ばした

 

ドローンの法律4|民法

  • 民法とは
  • 民法で押さえるべきポイント
  • 損害賠償請求をされるケースの例

民法とは

民法とは、人と人の間に生じる権利や義務について、一定のルールを定める法律です。

航空法と違い、個人と個人の間の権利関係について言及している点がポイントです。

 

民法で押さえるべきポイント

他人の所有地上空を飛ぶ際は、所有者の許諾を得るのが無難です。

民法に関しては、次の2点を押さえておきましょう。

土地所有権の範囲第207条

民法第207条では、土地だけではなくその上空にも土地の所有権が及ぶことになっています。従って、他人の所有地上空を飛行すれば、所有権の侵害となります。

不法行為による損害賠償第709条

他人の権利を侵害した場合は、損害を賠償する義務を負います。

ただ、他人の所有地上空を飛んだことが原因で、直ちに何がトラブルが起きると一概には言い切れません。

損害を賠償する義務を負う、というポイントがミソで、物損を与えたり、怪我をさせたりしなければ賠償のしようがありません。

 

損害賠償請求をされるケースの例

  • ドローンが墜落し、民家の屋根を壊してしまった
  • ドローンが他人の敷地内に墜落し、下にいた人を怪我させてしまった

「飛ぶだけなら損害を与えるわけじゃないから気にしないでいいよね?」という解釈もできるかもしれませんが、損害を出していなくても土地所有者が不快に思えばトラブルにはなりうるので、事前に許可を得ることを推奨します。

 

ドローンの法律5|道路交通法

  • 道路交通法とは
  • 道路交通法で押さえるべきポイント
  • 道路交通違反になりうる行為の例

道路交通法とは

道路交通法とは、道路上での安全な交通を守るための法律です。『交通を妨げないでね』というのが要点となります。

ただ、道路交通法が制定されたのは昭和35年のことなので、当然ドローンのことは想定されていません。

したがって、法整備がまだ十分にされておらず、解釈が難しいのが実際のところです。

 

道路交通法で押さえておくべきポイント

道路交通法における禁止行為を把握しておく

道路交通法第76条で禁止されている行為は次の通りです。

(関係なさそうな箇所は灰色にしてあります)

  • 信号機、道路標識等をみだりに設置してはならない
  • 信号機、道路標識等の効用を妨げるようなものを設置してはならない
  • 交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない
  • 道路で、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらついてはならない
  • 道路で、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつてはならない
  • 交通量が多い道路で、球戯、ローラー・スケートなどをしてはならない
  • 石、ガラスびん、金属片など、人や車を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射してはならない
  • 道路で進行中の車両等から物を投げてはいけない
  • 道路で進行中の自動車、トロリーバス又は路面電車に飛び乗ったり、飛び降りたりしてはならない
  • 公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為

参照:道路交通法第76条

 

ドローンの場合は、次のようなことをして交通を妨げないようにしましょう。

  • 道路上でドローンを離着陸させる
  • ドローンから物を落とす

判断に迷ったら警察に聞いておく

道路交通法77条に当てはまらない限り、道路上でドローンを飛ばすために許可はいりません。

とはいえ、ドローンを飛ばすことで、交通を妨害したり、危険を与えたりするかどうか、判断がつきにくいときもあるかもしれません。

交通の安全性に関して疑問がある場合は、事前に地域を管轄する警察に確認をしておくのが無難です。

 

業務などで道路上を飛行する際は、道路使用許諾を得る

業務で道路上でドローンを飛ばしたい場合は、警察署に道路使用許可を得ましょう。

道路使用許可を得るべき人は…

一 道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人

二 道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者

三 場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする者

四 前各号に掲げるもののほか、道路において祭礼行事をし、又はロケーシヨンをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、その土地の道路又は交通の状況により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者

引用:道路交通法第77条

 

道路交通法違反になりうる行為の例

  • 自動追尾機能を使い、ツーリングの様子をドローンで撮影した(グレー)
  • 公道でドローンを飛ばしていたら、走ってきた車に追突した

 

ドローンの法律6|海上交通安全法・港則法

  • 海上交通安全法・港則法とは
  • 海上交通安全法・港則法で押さえるべきポイント

 

海上交通安全法・港則法とは

海上交通安全法・港則法は、道路交通法の海バージョンのようなものです。両法律の違いは、適用海域がことなる点です。

道交法と同様、ドローンの飛行自体を直接的に規制しているわけではありません。

 

海上交通安全法・港則法で押さえるべきポイント

港則法が適用される港を適用港、喫水が深い船舶が出入りできる適用港のうち、政令で定められている港を特定港といいます。

高速港・特定港やその周辺では、次の点を守りましょう。

  • 船舶交通を妨げるような場所でドローンを飛ばさない
  • ドローンを用いて工事または作業をする際は、事前に港長・海上保安部・海上安監部の許可を得る
  • ドローンを用いて行事(レースなど)をする場合は、事前に港長の許可を得る

 

ドローンの法律7|重要文化財保護法

重要文化財やその周辺でのドローン飛行を禁止されていることがあります。

ドローン飛行で重要文化財を傷つけた場合、5年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金に処されます。

重要文化財の周辺でドローンを飛行する際は、当該施設を管理している団体に事前に確認しましょう。

 

ドローンの法律8|著作権法

著作権法とは、著作物の保護を目的とした法律です。

著作者の許諾なく、ドローンで著作物を撮影してはいけません。

例えば、ドローンでアーティストのライブを撮影し、youtubeに動画をUPした場合は、著作権の1つである複製権を侵害することになります。

 

著作権を侵害すると、著作権者から次の請求をされる場合があります(民事)。

  • 差止請求
  • 損害賠償請求
  • 不当利益の返還請求
  • 名誉回復などの措置請求

 

加えて、次のような刑事罰の対象になります。

  • 著作権・出版権・著作隣接権侵害:10年以下の懲役または1000万円以下の罰金
  • 著作者人格権・実演家人格権の侵害:5年以下の懲役または500万円以下の罰金

 

ドローンの法律9|プライバシー侵害・肖像権

ドローンで撮影した画像や動画をインターネット上で公開する際は、プライバシーを侵害しないようにしましょう。

撮影をするときは、被撮影者の同意を得るのが基本で、同意を得られない場合は次の処置をとる必要があります。

  1. 顔や車のナンバープレートなど、プライバシーを侵害する可能性があるものにはぼかしを入れる
  2. 削除依頼に対応できる体制をつくる

 

動画などを公開してプライバシーを侵害するリスクは…

  • 被撮影者から損害賠償請求をされる
  • 盗撮と判断されれば軽犯罪法違反や迷惑防止条例違反となる
  • 個人情報収集とみなされ、個人情報保護法違反となる

 

ドローンの法律10|各種条例

上記の他にも、各市町村がドローンを飛行させてはいけない場所などについて、それぞれ規制をしています。

ドローンを飛ばす地域の条例も、あわせて確認しておきましょう。ドローンに関する条例は、次の国土交通省のページをご確認ください。

詳細:無人航空機の飛行を制限する条例等|国土交通省

 

まとめ

ドローンに関する法律をご紹介しました。上記のルールを把握し、安心してドローンを飛ばしましょう。